2001年4月20日、自転車に乗っていた秋田大3年の女子学生が県道交差点で、大型トラックにひかれ、死亡した。大学の教え子だった。事件事故の被害者や遺族を支援する「秋田被害者支援センター」を設立した日でもあった。「女子学生の遺族の悲しむ姿を見た時、センター運営にかける思いを強くした」と話す。
センターに寄せられる電話相談は年間200件ほど。これを主婦や警察OBら約40人の支援員が交代で応じる。面談だけでなく、病院や裁判所への付き添いも行う。
答えに窮する時がある。「加害者の刑が軽すぎる」と訴えられた時だ。「刑を重くしても、加害者が罪をきちんと償うとは限らない。加害者自身の問題だ」と伝えている。冷たく聞こえるかもしれないが、加害者側のことは自分ではどうしようもない。ただ、「被害者らの気持ちを分かってほしい」と思う。
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センター設立の3年前、自殺に関する電話相談に応じるNPO法人「秋田いのちの電話」の設立にもかかわった。悩み、苦しんでいる人の力になりたいとの一心からで、そのきっかけは、自身の高校生のころにさかのぼる。
当時は、昭和戦争のさなか。勤労学徒として機関車に燃料の石炭を積んだり、軍需工場で兵器の製造に携わったりする日々を送った。将来を悲観した同級生が何人も自殺した。中には親友もいたが、彼らに何も出来なかった自分に歯がゆさを覚えたためだ。
センターは05年4月、県公安委員会から「犯罪被害者等早期援助団体」に指定された。それまでは相談が来るのを待つしかなかったが、県警との情報交換が可能となったことで、センターから被害者らに接触できるなど活動の幅が広がった。同年7月には、全国に先駆けて性犯罪被害者に医療費補助(上限10万円)も始めた。
県内の刑法犯の発生件数は今年1~10月で5242件。これら事件の被害者に対するセンターに課せられた責任は重い。しかし、一番の願いは、センターの存在意義が無くなることだという。「事件事故がなくなれば、支援する相手もいなくなるから」
センターの電話相談は平日の午前10時~午後4時。018・832・8010で受け付けている。
性犯罪に類するワードで検索したときに少しでも犯罪による刑罰などの記事を表示させ、性犯罪を抑止する目的で、性犯罪に関する記事を抜粋。
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